αは“カルボキシ基の隣”。ここだけ押さえればOK。

ところで、アミノ酸の真ん中にある炭素は
α炭素 と呼ばれるんだ。
どうして “α” なのか、分かる?

えっ…真ん中だから…α?(ちがう?)

今日は、α炭素・β炭素・γ炭素の数え方を
いっしょに整理していこうね。

① まず“目印”を決める:カルボキシ基(–COOH)

分子の中で“どこがどこか”を説明するときは、
みんなが同じ場所を想像できるように、
強い目印を基準にするんだ。

目印って…地図のスタート地点みたいなやつ?

その通り。
アミノ酸で代表的な目印が
カルボキシ基(–COOH) だよ。

そしてアミノ酸の場合、α炭素とは、
カルボキシ基(–COOH)の炭素(C=O)から見て、
すぐ隣にある炭素のことなんだ。

じゃあ“真ん中だからα”じゃなくて、
“COOHのとなりだからα”なんだね!

うん。もう少しだけ正確に言うとね。
αβγ という呼び方は、
もともと カルボン酸(–COOH)を持つ化合物で
よく使われてきた“位置の呼び方”なんだ。

だから –COOHを基準点にして、
近い順に名札をつける というルールが定着したんだよ。

そしてここ、ポイントだから注意ね。
カルボキシ基の中にある炭素(C=Oの炭素)
α炭素じゃないよ。

α炭素は、そのカルボキシ基の“となり”
ある炭素なんだ。

 

② ルールは“駅の数え方”みたいにシンプル

じゃあ次。
ルール自体は“駅の数え方”みたいにシンプルだよ。

カルボキシ基(–COOH)の 炭素(C=Oの炭素) から
出発して、炭素を順番に数える。

1駅目、2駅目…みたいに?

そう。
1つ目=α(アルファ)炭素
2つ目=β(ベータ)炭素
3つ目=γ(ガンマ)炭素
4つ目=δ(デルタ)炭素 …って呼ぶんだ。

なるほど!名前は違うけど、ただの順番なんだね。

ここで大事なのは、直線上かどうかじゃなくて、
結合で何個先かで決めること。

分子は3Dで形が変わるから、
“90度曲がって見える”みたいな見た目は関係ない。
“つながり順”がルールだよ。

 

③ 主鎖と側鎖:アミノ酸と脂肪酸でどう違う?

ここで、主鎖と側鎖の定義も確認しておこう。

主鎖と側鎖…ごちゃごちゃしやすいとこ!

主鎖は、その分子の“主要な骨格”。

側鎖は、主鎖から出る“枝”。
まずはこれだけでOK。

 

 アミノ酸 :主鎖とα炭素の数え方

アミノ酸の主鎖(backbone)は、
どのアミノ酸にも共通の一本道。
N–Cα–C(=O) の骨格で、
タンパク質の骨になる部分だよ。

じゃあ側鎖は?

側鎖(side chain)は主鎖から横に出る枝で、R基のこと。

そしてアミノ酸では、
α炭素(Cα)が“真ん中の炭素”になる。
NH₂ / COOH / R / H がくっついている炭素が Cα だよ。

でもこれは“真ん中だからα”じゃなくて、
–COOHの隣だからαで、その結果として真ん中になるんだ。

 

 脂肪酸 :主鎖とα炭素の数え方

次に脂肪酸。

脂肪酸は、端に –COOH があって、
そこから 長い炭素の鎖 が続くのが本体。

アミノ酸みたいに枝があるっていうより、
長い一本の鎖だね。

その通り。
脂肪酸の主鎖は、この長い炭素鎖そのもの。
ここでも –COOHを基準に、
隣がα、その次がβ…と呼ぶ(例:β酸化)よ。

 

④ AspとGluで“β・γ”がはっきりする(超重要)

じゃあ次は超重要。
アスパラギン酸(Asp)とグルタミン酸(Glu)で、
主鎖・側鎖、そしてαβγの数え方を確認しよう。

ここで一気にスッキリさせるやつだね!

Aspの側鎖は –CH₂–COOH。短い。

CH₂が1個だけ!

側鎖の最初の炭素(CH₂)が β炭素。

その先のカルボキシ基の炭素(C=O)が γ炭素。

だから Aspの側鎖のCOOHは γ-カルボキシ基
呼ばれるよ。

 

Gluの側鎖は –CH₂–CH₂–COOH。Aspより1個長い。

CH₂が2個!

1つ目のCH₂が β
2つ目のCH₂が γ
その先のカルボキシ基の炭素が δ
だから Gluの側鎖のCOOHは δ-カルボキシ基 なんだ。

 

⑤ 「γ-カルボキシ基」とは?→注意!

ここが混乱ポイント。まとめるよ。

うん、ここ絶対まざっちゃう!

Aspの側鎖COOHは γ-カルボキシ基

Gluの側鎖COOHは δ-カルボキシ基

だから説明や資料で“γ-カルボキシ基”って出てきたら、
基本は Asp側の話をしていることが多い。

GluにもCOOHはあるけど、それはγじゃなくδ
ここを混ぜないのが大事だよ。

⑥ 最後に:一言で覚える!

最後に、覚え方を一言でまとめよう。

いちばん大事なまとめ!

αβγは“–COOHから何個先か”で決まる
(見た目は関係ない)。

Aspは短い:–CH₂–COOH(側鎖COOHはγ)。
Gluは1個長い:–CH₂–CH₂–COOH(側鎖COOHはδ)。

🍀ブログ限定 豆知識

 

最後に“試験で差がつく豆知識”をひとつ。

α・β・γの数え方は、
じつは“化合物の世界共通ルール”なんだ。

世界共通?

うん。
カルボキシ基(–COOH)みたいな
強い目印(官能基)”を基準にして、
近い炭素から αβγ…って名札をつける。
だから、アミノ酸だけじゃなくて
脂肪酸でも同じ発想が使える。

なるほど!“見た目”じゃなくて
目印から何個先か”で決まるんだね。

その通り。あともう一個だけ、ひっかけ注意。

“カルボキシ基の中の炭素(C=O)”はα炭素じゃない。
α炭素は そのとなり だよ。ここ、よく聞かれる。

覚えた!“COOHのとなりα”!

そしてAspとGluは最強の比較ペア。

Aspは短い(–CH₂–COOH)→側鎖COOHはγ
Gluは1つ長い(–CH₂–CH₂–COOH)→側鎖COOHはδ

だから資料で“γ-カルボキシ基”って出たら、
基本はAsp側の話。

ここが混ざらなければ、もう完璧。

 

ABOUT ME
Dr. しろねこ
ねこが好き。医師・医学博士。 留学先で学生さんに生化学を教えたことがきっかけで、 「むずかしい」を「おもしろい」に変える入口を届けたいと思うようになりました。 日々のパフォーマンスを上げるために、筋トレもコツコツ続けています。