〜タンパク質になる前提で作られた部品〜

① みんな同じ「基本の骨組み」

じゃあ今日は、アミノ酸の“形”を見てみようか。

いよいよ構造だね…ドキドキ。

安心して。実はね、種類はいろいろあるけど、
基本の骨組みはみんな同じなんだよ。

どのアミノ酸にも、真ん中に炭素が1個ある。

炭素には“腕”が4本あるから、
4つのものがくっつける。

そのうちの1本には、
必ず 水素(H)がついている。

じゃあ、残りの3本は?

② アミノ酸らしさは、この3つ

残りの3本に必ずついているのが、これ。

・アミノ基(–NH₂)

・カルボキシ基(–COOH)

・側鎖(R基)

だから“アミノ酸”っていうんだ!

そう。アミノ基がついた“酸”だからね。


この配置は、実はとてもよくできている。

アミノ基カルボキシ基があるおかげで、
アミノ酸同士が手をつなぐように結合できる。

それがどんどん続くと――
長くて大きなタンパク質になる。

③ 「手をつなぐ」正体=ペプチド結合

アミノ酸が“手をつなぐ”って言ったけど、正体はね——

アミノ基(–NH₂) と カルボキシ基(–COOH)
くっつくことなんだ。

えっ、くっつくだけ? でも…それってどうやって?

くっつく瞬間にね、水(H₂O)が1個ポロッと出るんだよ。

水が出る…ってことは、パーツがちょっと削れて、
つながる感じ?

そのイメージでOK。


この“水が出ながらつながる反応”を
脱水縮合って呼ぶ。
そして、そのときにできる“つなぎ目”が
—— ペプチド結合 だよ。

ペプチド結合って何?(超シンプル定義)

ペプチド結合って、結局どこがつながってるの?

ここだけ覚えれば⭕️!

結合している場所:
あるアミノ酸の カルボキシ基(–COOH) と、
となりのアミノ酸アミノ基(–NH₂)

できる“つなぎ目”:
CONH(これがペプチド結合)

性質:
共有結合だから基本はとても強い。

でも体の中には、必要なときに切る
分解酵素(ペプチダーゼなど) があるから、
ちゃんと切れる。

強いけど、ハサミ(酵素)があれば切れる…ってことね!

そう。強いからこそ、タンパク質の“骨組み”として使えるんだよ。

「ペプチド」って元々どういう意味?

ところで…“ペプチド”って言葉、なんか響きが不思議。
元々どういう意味?

いい質問。語源をたどると——

ギリシャ語の peptein(消化する)が
ルーツなんだ。

え、消化!?

そう。昔の人は
タンパク質が消化されて、切られてできる短いかけら”を見て、
それが何なのか?と思っていた。
それが peptos / peptikos(消化された/消化に関する) に
つながって、peptide=短い断片 というニュアンスになったんだ。

つまり“ペプチド”って、もともと
“消化でできるタンパク質のかけら”から来た言葉なんだね。

うん、その通りだね。

そして今ではこう定義されている。

ペプチド=アミノ酸がいくつかつながった鎖

ペプチドって“アミノ酸”の鎖のこと?

じゃあ結論。ペプチドって、”アミノ酸”の鎖って意味でいい?

うん、それでOK。さらに言うと——
アミノ酸が“ペプチド結合(–CO–NH–)”でつながった鎖のこと。

じゃあ、糖の鎖とか、DNAの鎖とかも…ペプチドって呼ぶ?

呼ばないよ。

理由は簡単で、
“ペプチド”は材料がアミノ酸で、つなぎ方がペプチド結合っていう“条件つきの名前”だから。

鎖なら何でもペプチド、じゃないんだね。

アミノ酸で、ペプチド結合”って条件がそろって初めて
ペプチドと呼ばれるんだね!

その通り!

④じゃあ何が違いを生むの?

でもさ、NH₂とCOOHはみんな同じなんでしょ?

何が違いになるの?

いい質問だね。
違いを生むのは――側鎖(R基)

このR基が、

・水が好きかどうか

・プラスやマイナスを持ちやすいか

・大きいか小さいか

・柔らかいか硬いか

全部を決めている。

つまり“性格”はR基なんだ!

その通り。
アミノ酸の個性を見るときは、Rを見る。

⑤ ちょっと変わり者:プロリン

でもね、ひとりだけちょっと変わった子がいる。

誰?

プロリン。

プロリンは、
側鎖がぐるっと回って、
自分のアミノ基とつながる。
つまり、輪のような構造になる。そのせいで、
タンパク質が曲がりやすくなる。動きが制限される。

クセ強い!

そう。
タンパク質の形に影響を与えやすい、
ちょっと特別な存在なんだ。

⑥ まとめ:アミノ酸=設計された部品

こうやって見ると…
アミノ酸って“ただの分子”じゃないよね。

うん。
タンパク質になる前提で作られた“部品”みたいだよね。

つながるためのNH₂とCOOH

個性を生むR基

形を変えるプロリン

ここまで分かると、
次の話がぐっと面白くなる。

🌿 ブログ特典 豆知識

 

ペプチド結合(–CO–NH–)は“強い共有結合”って
言ったよね。

実は、強いだけじゃなくて——
ちょっと板みたいに硬いんだ。

えっ、結合なのに硬い?

ペプチド結合は“電子の分け合い方”の関係で、
回転しにくい性質がある。
だからタンパク質の骨格は、
自由にグニャグニャじゃなくて、
ある程度“形が作られやすい”んだよ。
ABOUT ME
Dr. しろねこ
ねこが好き。医師・医学博士。 留学先で学生さんに生化学を教えたことがきっかけで、 「むずかしい」を「おもしろい」に変える入口を届けたいと思うようになりました。 日々のパフォーマンスを上げるために、筋トレもコツコツ続けています。